Khish No.008 完成レビュー

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こんにちは。かわぐつのケンです。

この記事では今回製作したNo.008 Black Bear Derbyの完成レビューをお届けします。

No.008の抽選応募フォームはこちら↓(応募締切は11月20日23:59まで。当選発表は25日頃を予定)
https://docs.google.com/forms/

今回展示する靴はNumbers Collectionはすべて抽選を行いまして、当選された方がご購入いただけます。No.007~014すべてにおいて以上の通りです。

ご購入をご希望される方は後日公表いたしますフォームにご入力いただき、ご応募ください。

その他のナンバーズコレクション2022の完成はこちらから↓

目次

No.008 Black Bear Derby

No.008
Black Bear Derby
¥318,000

サイズ : 26cm UK7.5相当
アッパーマテリアル : ツキノワグマ革(VARIED)
ソール仕様 :
ノルベジェーゼ製法
トウブラス(三日月型)
シューツリー : 3ピース

この靴の特徴は何といってもアッパーの素材、ツキノワグマ革です。

猪革も生産しているVARIEDさんから購入し、いつ使おうかとワクワクしていましたが、今回満を持して登場です。

コンセプトはまさに「熊」

熊革を使いそれにふさわしいデザインで熊靴を作り上げるのが目標でした。

デザインはパンチドキャップダービー。つま先キャップに一文字のブローギングを配し、外羽根です。

ツキノワグマ革の特徴は猪や豚に似ている目立つ毛穴とシボ感、どこかヤギ革にも似ています。そして実物を見ないと分かりにくいですが、少しツヤのある直径1.5mmほどの斑点模様が1~1.5cm間隔くらいで広がっています。

まず熊ポイントとしてはアッパーの大きめのディテールです。穴飾りは通常よりも大きく、アッパーステッチは通常より太めの糸を使っています。

そしてマットブラックの大きめ外鳩目を装着し、太めの蝋引き平紐を通しています。

また熊らしい迫力を表現するデザインとしてブーツのパターンラインを引用しています。(カウンターパーツに走るステッチだったり、羽根の幅の狭さだったり)

トウシェイプは丸みとボリュームのあるスクエア。重厚感と同時にどこかかわいらしさもあります。

そしてそのアッパーの素材感、ディテールをまさに足元から支えるようにノルベジェーゼ製法を採用しました。

ノルベジェーゼ製法(ノルウィージャン製法)は防水性に優れ、スキー靴や軍靴等に使われていたという機能的な面からも分かるように、見た目、性能ともにタフな製法です。

すくい縫い、出し縫い①、出し縫い②の計3周分の手縫いステッチがコバに並びます。

ノルベジェーゼ製法は飾り糸を絡めたチェーンステッチを採用する場合が多いですが、今回は飾り気を抑えて無骨にチェーンステッチは無し。そして糸は全て黒で靴に溶け込み、どこか潔さを感じます。

そしてソール底面はブラックマット仕上げ、つま先には「月」の輪熊らしく月型をあしらった真鍮プレート。

(余談ですが変形プレートは手間が普通の2倍近くかかります。)


月型プレートは少しツヤを抑えています。

シューツリーはシンプルな3ピースタイプ。パズルのように靴の中にはまります。

最後に、この靴を磨いていただいたのはBriftHの長谷川さん。言わずと知れた靴磨きのパイオニアですが、熊革を磨いたのは初めてということでした。

特徴的な毛穴をつぶさないように、かつ極限まで光沢を出すようにワックスを重ねたそうです。

ワックスを塗ると毛穴が目立たなくなることが多い、というか、ある意味鏡面磨きの基本ですが、そうしないのがプロです。結果的に毛穴以外が光沢が出たことでより毛穴感が強調されました。素晴らしい。

No.007がフェラーリやランボルギーニなら、No.008はベントレーやロールスロイスです。

カジュアルながらもどこかドレッシー、迫力の中にある可愛さ、色々な表情を持つツキノワグマ靴が仕上がりました。

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