MTOにローファー登場!

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こんにちは。

今回の記事ではMTOに新登場となるローファーの紹介です。

かねてからご要望も多く僕自身も製作したかったローファーをMTOラインナップに追加します。

ローファーが簡単にMTOに追加できなかったのには理由があります。

それは新たな木型の開発です。

一般的に紐靴とローファーのラストは異なるといわれます。

実際のところそうで、紐がないことによるフィッティングの違いや、ドレスシューズとは少し方向性の違ったデザインをしっかりと形作るために新たにローファー用の木型を製作しました。

新たに加わったローファーモデルと現在製作中のもう1モデル、そして受注会についてお知らせします。

目次

MTOローファー『Laurel』

ローファー第一弾はとてもクラシックでシンプルなコインローファーです。

サンプルまず一足目は黒の猪革で製作しました。猪革はローファーに絶対に合うだろうと数年前に革を最初に見た時から思っていたので、やっと形にすることができ嬉しいです。

モデル名は「Laurel」

月桂樹を意味します。ローリエの方がなじみ深いかもしれませんがそれはフランス語

このローファーはローレルと呼んでください!

金額は

¥187,000~(税込)

革の選択肢は50種類以上です。レザーギャラリーはこちら▼

https://khish.easy-myshop.jp/c-fpage?fp=leathergallery

ローファーの最もスタンダードなデザインと言えばやはりこのハーフサドル(靴真ん中にある甲を抑えるようなパーツ)にコインを差し込む穴が開いていて、Uチップで、履き口にはイタリアンテープ(履き口をカバーするようにぐるっとついている細い革)。

というデザインだと思います。それを何も奇をてらうことなくスタンダードになぞりつつ、Khishの木型とデザインを表現しています。

MTOモデルはこのモデルを含めると10種類になりますが、クラシックでシンプルなデザインばかりで、ある意味ではKhishらしさというのは感じにくいかもしれません。

しかし革靴というのは伝統的なクラシックの上にまず成り立ち、そのうえで遊び心を楽しむものだと僕は思っているので、まずはクラシックなモデルでしっかり地盤を築きながら、その中でもにじみ出るようなKhishらしさというのを表現するのが今のフェーズだと考えています。

ローファーはドレスシューズと違ってカジュアルに使うことがほとんどだと思います。それに合わせてつま先は短く、すこしぽってりとボリューム感を持たせました。

そしてそこに沿うようにつまみモカのラインを描いています。つまみモカは革のぷっくり感が感じられるのでとても好きです。

試作なので若干バランスが違います

またデザインだけでなく履き心地の方向性もドレスシューズと少し異なっています。

Khish the Workらしい底面の立体感や、しっかり作り込むことで得られる硬さと柔らかさの対比は踏襲しつつ、少しゆとりのある、足に沿いすぎないというところを意識しています。

ピタピタで履くと気持ちもシャキッとするのがドレスシューズの良いところですが、ローファーはもう少し気軽に履きたいね、という気持ちにもフィットできれば嬉しいです。

とはいってもかなりしっかりしたハンドソーン製法の靴になっているので一般的に売られているリラックス感のあるローファーよりは数倍しっかり感を感じるはずです(笑)

ローファーが人気であればよりリラックスに振ったアンライニングモデルなんかも追加したいですね。

▼ローファー試作の紹介はこちらの動画

ミュージアムカーフもとても合います

ローファーへの思い

このLaurelは言わずもがなジョンロブのLopezやクロケット&ジョーンズのBostonなどからインスピレーションを受けています。

この二つのモデルには個人的に思い入れがあります。

正確にはBostonではないですがpolo ralph lauren別注でBostonをフルサドルにしたようなウイスキーコードバンのモデルを所有していました。

結構気に入って履いていましたが、若干サイズが大きくかかとが抜ける感じと、足が靴の中で横にずれる感じがありました。しかしサイズを落とすとかなり指が詰まる感じがあったので、サイズはこんなもんかなと思いながら履いていました。

大阪に住んでいたころによく履いていたので京都の寺社仏閣を訪れて靴の写真をよく撮っていたことが思い出されます。

石段でつま先を擦ってしまった

気に入っていたもののフィット感に少し懸念があり最終的には手放しました。

ジョンロブのLopezは二足所有していました。

タンカラーのバッファローレザーとダークブラウンのスエードでした。

その二足はサイズがそれぞれUK7.5と7のハーフサイズ違いでした。

7.5のバッファローの方は靴修理店でサイズ調整をしてもらったこともありますが、やはりかかとが大きくかなりスポスポ抜けます。

一方で7のスエードの方はタイトでした。フィット感は7の方が気に入っていて長く所有していたのですが、以前自己紹介動画でお話しした靴を作るきっかけになった出来事の一つ、踵の激痛を引き起こした直接的な原因の靴はこれだったのです。

4:10~あたりから

7.5だとかかとが抜けますが、7はタイトで踵がかなり靴に押し付けられるので抜けは気にならなかったんです。しかしその代償に靴を履いている間ずっと踵が圧迫されている状況でした。

慢性的に痛みはあり、そのうち馴染んで慣れるだろうと思っていました。

あるとき東京駅構内を仕事終わりに歩いていると、いきなり激痛が走りまともに歩くのが難しくなってしまったことがありました。靴ずれして水ぶくれができたということではなく、圧迫されて内部が炎症を起こしたような感じです。

もちろんLopezもBostonも足に合い、気に入ってる方はいらっしゃるはずです。

そうでなければこれだけの名作にはなりえません。僕の足にたまたま合わなかったというだけです。

しかしやはりローファーに関して僕と同じようにデザインと、サイズ感と、フィット感を悩み続け、理想のローファーに出会えていない方は多いのではないかと思うのです。

実際、今回製作したLaurelも足に合わない方は必ずいらっしゃいます。

MTOなので木型調整をして製作することで良くすることができますが、木型調整では対応しきれない方もいらっしゃるはずです。

しかしそういった僕自身の色々なブランドの色々なローファーを履いてきた経験から、こういうデザインで、これくらいのバランスで、こういう革で足に合うのがあったらな、という思いをかなえるべく作ったモデルです。ローファーに悩む方々への新たな選択肢になれると嬉しいです。

是非一度フィッティングシューズをお履きになってみてください。

またビスポークまではいきませんが、木型製作あり、仮靴製作ありのMTMも対応しますのでフィッティングにお悩みの方、革やデザインでちょうどいいのがないとお悩みの方お待ちしております。

タッセルローファー

ローファーはもう1デザイン製作しました!

なんといっても外せないのがタッセルローファーです。

モデル名は “Camellia”

椿です。可憐な花をイメージさせるようなボリュームのあるタッセルをつけています。

価格は同じく

¥187,000~(税込)

コインローファーに比べると少し華奢な雰囲気があると思います。

木型は同じですが履き口のラインやモカのラインを変えてデザインしています。

このサンプルのアッパーはツキノワグマ革のナチュラル色

白っぽい生成りのヌメ革で熊革独特の表情が花を添えます。

そしてステッチはホワイトでコバはナチュラル仕上げで作りました。

この組み合わせは春夏に間違いなしのローファーです。

春夏っぽい装いで履いてみました。

爽やか!おしゃれです。

タッセルローファーと一口に言ってもかなりデザインバランスやディテールの違いでいろいろなものがあり、少しの違いがガラッと印象を異なるものにするデザインの一つだと思います。

CamelliaもLaurelと同じくスタンダードなクラシックをなぞりつつ履き心地やディテールでKhishらしさを出したモデルになっていますので気に入っていただけると嬉しいです。

まずはこの2デザインでローファーオーダー受け付け開始します!

(ツキノワグマ革は2024年6月現在在庫がなく、猟期の関係で次の入荷が10月ごろになります。熊革でオーダーお受けできますが、納期が通常よりもかかってしまうことをご了承ください。)

6月のオーダー会

MTOローファーとMTMのローンチに合わせて東京で予約制のオーダー会を開催します。

日程:2024年6月21日 11時~20時
       6月22日 12時~18時
場所:〒1690075 東京都 新宿区 高田馬場 4-38-16 ライトハウス高田馬場1F

各一時間ずつとなります。MTOの場合はフィッティングシューズの試着とデザインの決定

MTMはそれに加えて足の採寸をさせていただきます。

ご予約いただいて来店された方で、MTOがどうしても合わず、MTMもご希望されない方は無理にオーダーいただかなくて結構です。

MTOモデル全11種類のオーダーをお受けします。

ご予約は下記リンクからお待ちしています。

https://reserva.be/leathershoes

MTO各モデル詳細に関してはこちら▼

最後に

MTOをどんどん拡張しています。

やはりビスポークと比べて製作可能足数が多いこと、比較的価格が安いことから多くの方に手に取っていただけたら嬉しいという思いから力を入れています。

沢山オーダーいただいているのですが、実のところもっとオーダーいただきたいです!

東京オーダー会の予約枠もまだまだたくさん空きがあります。

開催して誰も来てくれなかったら悲しみに暮れてしまうので是非なんとかお願いします!!(切実

実物を見ていただき、お話して、そして最終的には足に合わずオーダーはちょっと、、という場合もちろんあると思います。大丈夫です。MTMがあります!

MTMはちょっと値段が、、という場合は、最終的にオーダーいただかなくても構いません。

まずは渾身のローファーを皆さんに見ていただきたいので是非よろしくお願いします!

それではオーダー会でお会いしましょう。

ご予約はこちらからお待ちしております。

https://reserva.be/leathershoes

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • お疲れ様でございます٩(//̀Д/́/)۶

    MTOのローファーで、第一弾のLaurel。

    早速欲しくなりました!!

    私自身ローファーはあまり履いたこともないので、是非これを機に本格的にローファーデビューもしたいです。

    また工房にお伺いした際には、オーダーしてしまうかもしれませんねw

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