【ビスポークシューズ紹介】こだわりのフルオーダー革靴を一挙公開!

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こんにちは、かわぐつのケンです。

本日は過去に製作をしたビスポークシューズを4足ご紹介します。

どの靴も僕とお客様のこだわりがたくさん詰められているので、ぜひ最後までお楽しみください!


目次

1足目:エプロンフロントダービー

まずご紹介するのは、ユタカーフ(HAAS社)の革で作ったエプロンフロントダービーの靴です。



革の厚みの中に糸を通して縫うスキンステッチをU字に施しているデザインで、Uチップともいいます。

このスキンステッチのエプロンフロントダービーで最も有名なモデルとして、エドワード・グリーンのドーバーがありますね。

ドーバーはつま先にシャドーステッチの縫い目があるのに対し、こちらの靴はつま先には縫い目はありません。



ハトメは3つのVフロント、羽根の部分は縫い割りになっています。



型押しの革の質感や色、緻密なスキンステッチが相まって、かなり大人で落ち着いた感じの靴になりました。



こちらの靴は吊り込みをしている動画がYouTubeにアップされていますので、ぜひご覧ください!


2足目:アップルピールパターン

こちらは女性のお客様にお作りしました、アップルピールパターンのブローギングシューズです。

アップルピールパターンというのは、その名の通り、りんごの皮を剥くようにぐるぐると一枚の革を巻いている型紙のことです。



お尻のようなぷっくりとした丸みをもたせたアデレードのラインや、控えめに小穴のみを開けたブローギングなど、女性的で可愛らしい雰囲気が特徴です。

女性の方に作る靴は紳士靴よりもサイズが小さくなるため、それに伴ってバランス感も合わせる必要があります。 ハトメを4つにして羽根の部分を短くすることで、全体のバランスをとります。



つま先には青色のテンパーカラーのスチールを装着しています。

テンパーカラーとは、鉄を高温で加熱し酸化膜をつけることによって様々な着色が起こる現象のことです。

腕時計の針などで見かける技法ですね。



つま先にはブルースチール、ソール底面は黒と青の半カラス仕上げ、さらにシューツリーは青色に染め、全体が黒と青で非常に統一感のある仕上がりになりました。



革はANNONAY社のボックスカーフ、華やかでツルッとした綺麗な革です。



こちらの靴は出し縫いをしている動画がYouTubeにアップされていますので、ぜひご覧ください!


3足目:アシンメトリパターン

アップルピールパターンに続いて、ビスポークらしいデザインの靴が続きます。

こちらはVフロントのロングヴァンプダービー、Weinheimer社のボックスカーフでお作りしました。

一見するとシンプルなプレーントゥダービーにも見えますが、実はこの靴には秘密が隠されています。

それは靴の内外でデザインが異なる、アシンメトリパターンであるということです。



まず靴の外側は、革をつまみ縫いすることでロングヴァンプのように見せています。

シンプルでシュッとしたクールな印象を与えます。



対して靴の内側にはブローギング(穴飾り)を配しています。

穴飾りや革の重なりがあることで、外側のクールな感じとは打って変わって、華麗な印象を受けます。



靴のデザイン自体がシンプルなので、全然異なるデザインを内外で採用するというお客様からのご要望がありました。

普通に履いている分には他の人からはなかなか気づかれにくいと思いますが、自分の足元を見るとチラッと内側の華やかさが見えるという、一つ遊び心のある靴になりました。


少々癖のある足をお持ちのお客様ですが、よくフィットしていて安心しました。


4足目:フルブローグダービー

最後にご紹介するのは、3足目の黒い靴と比べるとかなりカジュアルで軽快な靴です。

ちょっぴり可愛さもある外羽根のフルブローグです。



アッパーにはAnnonay社のボカルーを使用しました。

デザインの基本形はクラシックを踏襲しています。

つま先にはメダリオン、ブローギングやギザギザカットのギンピング、翼のように見えるW字のウィングチップ。



ですがコテコテのクラシックさだけではなく、この靴ならではの柔和で可愛らしい雰囲気も感じていただけると思います。


まずはつま先、かなりのボリューム感と丸み感をつけました。 ついつい撫で回したくなります笑



そして履き口の周りは、アッパーよりワントーン明るい色の革で包むパイピングを行いました。
Khish the WorkのMTOでもいくつかのモデルに採用する技法であるパイピングは、靴に柔らかな印象や可愛げをプラスしてくれます。

最後にシューレースの先端には控えめなタッセルを付けました。
タッセルを付けると、靴から靴紐を抜くことはできなくなってしまいますが、クラシックさと可愛さの両方の要素を兼ね備えているので、この靴の個性の一つとして見事にマッチしています。

(タッセルを取れば紐を抜くことはできます)



ビスポークは靴職人とお客様の世界観を余すことなく注ぎ込むことができる嗜好品です。

この靴も例に漏れず、クラシックさと可愛らしさの調和がとれた、素晴らしい靴となりました。


こちらの靴はソールの製作動画がYouTubeにアップされていますので、ぜひご覧ください!


最後に

どの靴も、こだわりと会話の中から生まれた一点物。
納品の瞬間は毎回緊張しますが、靴を履いたときにお客様が喜んでくださるのが何より嬉しいです。

ビスポークの魅力は、足に合わせるだけでなく、お客様の「欲しい」を一緒に形にしていくこと。
革選び、デザイン、ディテールの相談を楽しみながら、一緒に作り上げていけたらと思います。

今回ご紹介した靴たちは、完成後にInstagramでアップ予定です。
ぜひフォローしてチェックしてみてください!


また今回登場した靴は、製作途中の段階でYouTubeで紹介したものもあります。

完成する前の姿も見ることができますので、ぜひ完成写真と見比べてご覧ください!

それでは、また。


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