Khishの靴の製作と販売について

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こんにちは。

かわぐつのケンです。

今回の記事では以前ライブ配信でお伝えした

Khish(キッシュ)の靴の製作と販売について、まとめました。

配信後、いろいろ考えた結果変更点も少しありますので

あらためてキッシュの製作と販売について頭にいれて

秋に備えていただけたらと! (笑)

ライブ配信で用意した簡易的なスライドを使いながらより詳しくご説明します。

目次

既成靴をつくる

これまでYouTubeの動画では自分の靴や親類の靴、また友人への靴などと、木型をそれぞれ作成しその人の足に合わせた靴 - ビスポークシューズを作ってきました。

ではなぜビスポークの受注開始ではなく、既成靴の販売から始めようと考えたのか、についてまずはお話しします。

なぜ既成靴か

コロナ禍

もう勘弁してくれと多くの方が思っていると思いますが、いまだ収束の兆しが見えませんよね。。

ビスポークは足に合った靴を作るために「採寸」という作業があります。

お客さんと直接会って足を計測しデザイン等の相談をしますよね。これが双方にとって楽しいんです。

ですがコロナ禍のなか、その機会をつくることはハードルが高く(僕は店舗を持っておりません)

採寸、仮合わせ、お渡しというビスポークならではの工程を踏むことが難しい状況です。

製作数

僕は一人で靴製作の一部始終を行っていますので、非常に製作足数が少なくならざるを得ません。(特に現在はまだ靴職人1本で成り立っていませんので、さらに時間の限りがあります)

ビスポークは人それぞれの足に、よりフィットした靴を作ることができる一方、非常に時間と手間がかかってしまいます。

そんなわけで、 ビスポークでは製作数がさらにさらに少なくなってしまうのです(笑)

しかし、なるべく多くの方に靴を届けたいという思いがあります。

 

そこでビスポークのエッセンスを取り入れ、フィット感を高めた木型を開発し、それを使い既成靴を作ることを決めました。もちろん、それぞれの方へのフィット感はビスポークに劣る部分はあると思います。

ただ一般的に売られている既成靴の木型とは別物といっても過言ではないと考えています。

なぜなら既成とはいえ、ビスポークの製作工程と同様にフルハンドメイドで作成するためです。

 

実は、フルハンドメイドそのものがフィット感を高めるわけではありません。

フルハンドメイドでこそ作ることのできる攻めた形状、起伏に富んだ形状がフィット感を高めるのです。

(それは量産に向かず、作業効率が劣るということと同義です。しかし一人で作る以上は、さすがに工場生産には及びません。だからこそ ”一人で作るからこそできる” フルハンドメイドの既成靴に焦点を当てました。)

今回確実に、「フルハンドメイドで作る既成靴」という価値を提供できると判断したので既成靴の販売を決めました。

※フルハンドメイド:出し縫い、掬い縫いに機械を用いず手縫いで仕上げる靴。

技術面

これまでも何度かお伝えしていますが、僕はまだ製靴歴2年弱です。(2021年8月時点)

そして現在は、知人に向けてビスポークを主に作っている状況です。

製作物を見ていただければわかると思うのですが、一定レベルに達している自負はあります。

しかし、活躍する靴職人の方々に比べれば製作足数や経験において、劣っているのは事実です。

最近完成したエプロンダービー

 

そのため、知人や自分自身のためのビスポーク靴を実験、研究のためと位置づけ、一般の方々に販売する既成靴をそれら技術を結集した完成品と考えています。

知人に作るビスポークも靴として問題はまずないのですが(笑)、素材や製法などなど、実験的なことを色々行っていき、より自由な靴製作をしていきます。

既成靴は一般に売られているものと遜色ない、むしろそれらを上回る完成度で自信をもってご提供したいと考えています。

ビスポークと既成靴の違い

ここでビスポークと既成の違いについて比較してみました。

ビスポークと既成靴の違い

ビスポークはデザインのライン、製法、素材等、ほとんどすべてを自分好みにカスタムすることができます。

ビスポーク最大の利点は、 フィット感と自由なカスタマイズ性だと考えています。

ただ最終的な完成品というのは出来上がるまで見ることはできません。(サンプル等でイメージはできますが)

また、注文してから製作するため納期が長くなってしまいます。


既成(つるし)の場合

デザインはすでにされています。自分が何かを選んでカスタムすることはできません。

つまり完成品がそこにあり、それが気に入ったかどうかで購入の決定をします。

納期は短いです(というかその場で購入)

(※つるし:MTOではなくそこに在庫があるという意味で使っています)

Khishの製作スタイル

上記を踏まえてビスポークではなく既成靴だからこそできることを考えました。

それが

1点物の作品

です。

完成品がそこにあるからこその楽しみってあると思うんです。そこが既成靴の面白さでもあります。

完成品をどれにしようか選ぶ楽しみや、自分の知らないかっこよさに気付く楽しみ、どうコーディネートしようか考える楽しみなど、

既成靴のメリットというのが実はあるんです。

(各ブランド名作モデルがありますよね。その特定のモデルへの憧れや、デザインの完成度、ストーリーなど、それを買うことでしか得られない満足感が確かにあります。)

だからKhish の既成靴は僕に任せて下さい。

素材、製法、デザイン、木型、ツリー…

靴1足1足を一つの作品としてとらえ、その靴ならではの良さを詰め込んでいきたいと思ってます。

素材に合った製法、色に合ったデザイン、木型に合った底付け…など、デザインはディテールまで含めると無限大です。

これまで何百足と靴を見てきた僕が、必ずグッとくる靴を作って見せます!


なんて偉そうなこと言ってますが、作りたい靴が脳内にたくさん溢れてしょうがないんです。

なので「ぼくの考えた最強の靴」的に魂こめて作りたい靴を作るので、気に入った方がいらっしゃれば買っていただけると嬉しいな、そんな幸せなことないな、って思っています。

販売時期

ライブ配信では販売時期は2021年10月中旬とお伝えしたのですが、なかなか予定通りにはいかず、11月半ばか末ごろになってしまうかもしれません。

今回の販売では6足作る予定です。

引き続き靴製作は動画をアップしていきますので、完成まで見守っていただけると嬉しいです。

no.002のソール

販売方法

販売方法は悩みに悩んだのですが、オークションと抽選を予定しています。

販売方法

オークションというのは入札を重ねて最も高い金額を出される方が購入権利を獲得できます。

言ってみれば確実に欲しい方が手に入れることができる一方、価格が定まっていません。

(入札が多ければ金額は吊り上がります)

 

抽選を行い、その当選者が購入できる場合、完全な運に左右されるので、どれだけその物を欲しいと願っていても、手に入れられない可能性があります

一方、価格がすでに決まっているので、吊り上がることはありません。(安い値段で購入できます)

 

オークションだと値段が分からない&高くなる可能性があるので参加できないこともあると思います。

できれば色々な方に、靴を手に取っていただき靴の魅力を広めたいという思いがあるので、オークションだけではだめなのです。

 

そこで抽選です。抽選なら運任せではありますが、購入権は公平にあるはずなので、比較的安価にいろいろな方に届けることが可能になると思います。(どちらにせよ数は少ないのですが、、)

逆に抽選のみだと、どれだけ欲しい気持ちが強くても運を前にしては無力なので、抽選だけというのも良くないと考えました。

本当は上記のような販売方法はとらず、欲しい方に欲しい靴を欲しいだけお売りしたいです。ただどうしても製作できる数に限りがあるので、このような方法を取ることにしました。)

販売価格

抽選 ¥150,000(税込)

オークション ¥150,000~(税込)

シューツリー、靴袋、靴箱付属

展示会

製作した靴の展示を行いたいと思っています。

また用意した靴6足のサイズに合わせてフィッティングチェック用の仮靴もそれぞれ用意したいと考えています。

詳細は検討中です。(第一回目の販売分の展示会は今のところ東京のみ開催の予定です)

修理

Khish の靴は当然修理可能な靴作りをしていますので、Khish の靴の購入後の修理は行います。

ただ店舗を持たないためメール等での見積もり後、配送いただく形態になると思います。(現時点)

また街にある修理屋さんで直していただいても全くかまいません。

トップリフト交換等なら全く問題なくやっていただけると思います。

オールソール交換になるとフルハンドメイドゆえ、製作者(僕です)が木型を入れなおして修理するのが理想だと思います。

一般の修理店よりは金額は高くなってしまうと思いますが、大切に履いていただいた靴は大切に修理するつもりです。

YouTube配信

これまでと同じく製作動画はYouTubeチャンネル

「かわぐつのケン / CRAZY about SHOES」

にて配信します。

動画は公開しコメントも公開します。

製作工程のどの部分を動画にするかは靴によって異なりますが、

基本的に最初から最後までの工程が分かるような形で記録していきます。

おわりに

YouTubeで靴作りの発信を始めてから1年4か月ほどですが、たくさんの応援の声をいただきまして

ブランド立ち上げを行い、販売の目処を立てることができました。

まだまだ靴職人としては赤子のようなもんですが、これからも応援よろしくお願いします。

 

また、販売方法や製作について等々、現時点での話でありますので、

今後皆さんの声や、状況に応じて柔軟に変えていきたいと思っています。

 

ということでまずは、

今年の秋の販売に向けていい靴をつくるぞ!

ではまた。

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (16件)

  • 初めまして岡井でございます。
    かわぐつのけん様の動画を見させて頂いてます。革靴の事に知りたいと思っていた所に今回の動画を見つけました。そして、自分で革靴を磨き始めたばかりで分からなくなると何度も見直しては革靴を磨いたりしてます。まだまだ十分とは行きませんが今後も参考にしながら勉強させて頂きます。
    最後に陰ながら応援しております。

  • こんばんは、テレビで初めて知りました。私はユーチューブは見ないのですが 足が悪く左足股関節は人工で 右足も痛くなり始めたので 人工を考えています。市販の靴がなかなか合わなくて 買っては失敗しています。安物は履きにくく セミオーダーで何度も何度も合わせて頂いたのですが お店が無くなってしまい しかしその靴もしっくりいきませんでした。今回貴方にオーダーして 足に合った靴を履きたいと思いました。

    婦人物も作って頂けるのでしょうか

    静岡県の田舎者です。

    • ありがとうございます!
      合う靴って難しいですよね…
      いろんな方を含め靴の楽しみを知ってもらいたいと思っています。
      手作業で作るため生産量が限られてしまうのがもどかしいですが、
      販売の予定などについては、YouTubeの動画でもお知らせさせて頂きたいと思います!

  • はじめまして!
    所さんの番組で偶然、けんさんの革靴づくりの様子を拝見しました。足に負担がかからない優しい革靴でありながらどれも素敵な作品ばかりで、見ているだけですごく楽しい気持ちになりました!是非けんさんの素敵な革靴が欲しいので、革靴貯金を始めようと思います!!
    これからも応援しています!

  • いつも楽しく動画拝見させていただいております。質問させてください。
    今回の分は、結局の所展示会参加者の方への販売に限ることになったのでしょうか?
    本記事で読み取れなかったため、ご教示いただけますと幸いです。

    • #003がとても気になっていて、地方在住ですがお問い合わせさせていただきました!

    • ありがとうございます。販売は展示会参加の可否にかかわらず行います。試着していただいてフィット感を確かめられてからが本来は最も良いのですが現時点ではなかなか全ての人に試着いただくのは難しいため今回は抽選の応募やオークションの参加はどなたでも参加できます。よろしくお願いします。

  • こんばんは。11/21 自由が丘の展示会、観に行きました。NO1からNO6までどれも魅力的な靴で、たっぷり堪能させて貰いました。ありがとうございます。京橋での試着予約もさせて貰いました。またよろしくお願いします。

  • 初めまして!
    YouTubeから飛んできました。
    NO.6の黄色の革靴がとても個性的で、思わず一目惚れしました。まだ学生なのでとても手が出ないですが、いつかケンさんが作った革靴をゲットしたいなと思ってます!
    これからも動画と最高の革靴楽しみにしています!応援してます!!

  • はじめまして。
    靴づくりを検索する中でケンさんに出会いました。
    15年ほど革靴と向き合っていますが、なかなか正解が無く奥が深いです。
    新しい靴を買ったときの靴擦れや痛みから解放されたく、
    先日近くの靴修理工房で人生で初めてオーダーしました。
    ケンさんの動画により初めて工程を知ることができました。
    オーダー靴を楽しみにすると共に、
    キッシュザワークの素敵な革靴にもケンさんにも会ってみたいです。
    応援しております!

    • ありがとうございます。知れば知るほど奥が深く、探究のしがいがありますよね。
      オーダー楽しみですね!
      展示会等開催する際はお知らせしますので是非お越しください!

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