Khish No.006 Hand-dyed Derby の完成

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今回はキッシュの革靴のno.006の完成記事です。

▼No.005の記事はこちら▼

目次

製作動画

①アッパーを縫う
https://youtu.be/MP7TZmYLpLo

②中底と芯を作る
https://youtu.be/MIoHbckvb7Q

③木型に吊り込む
https://youtu.be/YBtinPOmC-8

④すくい縫いと中物
https://youtu.be/6dd9SlXzC-c

⑤出し縫いをする
https://youtu.be/Y9JVJghazmw

完成の動画

完成レビュー

キッシュ6足目はシンプルなプレーンダービーです。

Khish No.006 Hand dyed 2eye Derby

クラストカーフ(無染色の革)を手染めし、黄色に近いライトブラウンに仕上げました。黄色、茶色、緑、など混ぜ合わせて微妙な色合いを作りました。

ジョンロブの革でアルディラアンティークという薄い色の革があります。その色合いが個人的にすごく好きなので、その雰囲気に寄せています。

シンプルなデザイン

型紙が2パーツで構成されるシンプルな2アイレットのダービーです。

カジュアルにさわやかに履くことをイメージしたため、履き口のラインは普段より少し広げて浅めの靴になるようにしました。(デザイン的に)

特徴は全体的な丸みです。羽根のラインも丸みを帯びていて、縁にはパイピングを施しています。

パイピング

かかとはシームレスヒールになっています。丸いです(かかとはいつでも丸いけどな)

シームレスヒール

丸みを帯びた靴なのでソールも丸いです。通常コバは四角いですが、この靴は丸コバです。

紳士靴ではなかなかみることのない仕様で、革の質感の優しさがにじみ出る感じがします。

木型のつま先の丸っこさ(お饅頭具合)もこの靴の優しさに一役買っています。

丸コバ

コバ、ソールともに全く染料を使わず、革の生成りの色で仕上げています。コバにはロウを溶かしこんでいるので一段階色が濃くなっているのが分かります。

気張らない自然な風合いです。

ナチュラルソール

ウエスト部分には幸菱の焼き印

幸菱の焼き印

アウトソールステッチは目付をせずに糸の表情そのままに残しています。

少し太めに撚った白い麻糸を3.5mm程度の間隔で縫っているので、靴の周りを白い点々が囲みカジュアルでかわいい印象になっています。

出し縫い

この靴のライニングは薄いオリーブ色のゴートを使っています。アッパーの色合いともよくマッチしていますよね。

インソールにはKhish の刻印

ライニングの刻印
シューツリ―

シューツリーの仕上げは染色せずに亜麻仁油を何度か塗り込んで仕上げました。

そこに真鍮金具と帯紐をつけています。帯紐は着物の上から締める紐なので両端には飾り(タッセルのような)がついています。

今回はあえてそれをそのまま使ってシンプルな中に遊び心を持たせました。

帯紐と金具とツリー

この靴のサイズは

27cm UK8.5

程度です。

そして箱と靴袋です。

箱は爽やかでかわいらしい雰囲気にしてみようと思いあさぎ色にしました。靴袋もおなじく青系にしました。

6足目の箱

感想

6足目の靴はシンプルで飾りのない靴が作りたくて形にしました。

No.004を作っていた時、もちろんかっこいいのですが、これでステッチがなく木型のラインだけが出ていたらかっこいいだろうなとふと思ったのが始まりでした。

手染めの革は製作中にオイルを塗って作ると決めていたので、色が少し濃くなることを見越してアッパー製作時点では気持ち薄めに明るめの色合いに染めました。

動画でこんな色の靴作るのかと思われた方がいたら、その通りでアッパー製作時にはかなり色は明るかったです。

そこからオイルを何度も塗り込むことで徐々に色合いが落ち着き、完成の磨きでさらに一段階落ち着いた色合いになりました。

展示会では、色合いがすごくきれいだと言ってくれる方が多くうれしかったです。

 

あまりやることの多くない、丸コバ(二回目)やナチュラル仕上げ(二回目)をやってみましたがやはりほかの靴とは全く異なる雰囲気を醸し出してくれたので、今後も定期的にこの仕様で作ってみたいなと思っています。

春夏には爽やかに履き、秋には紅葉に合わせ、冬には暗くなりがちなコーデの差し色に、、という感じでコーディネートの妄想も膨らみます。

色の薄い革靴いいなあ、自分用に欲しいです。笑

それではまた。

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