Khish No.005 Vintage Balmoralの完成

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今回はキッシュの革靴のNo.005の完成記事です。

▼No.004の記事はこちら▼

目次

製作動画

①アッパーを縫う
https://youtu.be/Yg1bccs2nTE

②中底と芯を作る
https://youtu.be/MIoHbckvb7Q

③木型に吊り込む
https://youtu.be/1QdXRYn_YgE

④すくい縫いと中物
https://youtu.be/6dd9SlXzC-c

⑤出し縫いをする
https://youtu.be/d4nGa_VtTcE

⑥ソールの仕上げ
https://youtu.be/Vwt6_aU1SOE

完成の動画

完成レビュー

デザインは白黒茶のコンビのバルモラルです。

Khish No.005 Vintage Balmoral

黒い部分はアノネイのボックスカーフ、茶色は新喜皮革のコードバン、白い部分はヘンプ生地(大麻)を使っています。

バルモラル、内羽根の靴という意味ですが、ロングヴァンプデザイン(かかとまで羽根のラインが伸びる)のことを指すことも多い気がします。(オックスフォードが内羽根という意味ですし)

その辺はよくわかりませんが、この靴はビンテージかそれより古いアンティークの靴をイメージしたデザインなのでVintage Balmoralと名付けました。

上から見ると黒い部分が靴全体を囲み、その上に茶色と白が乗っかっているような見た目になっています。

キャップとバンプラインには親子穴の飾りを入れて少し華やかな印象に。

外鳩目とコードバン

アイレットは茶色の塗装の外鳩目を装着しビンテージ感を出しています。

茶色い部分はコードバンですが、コードバンを使った理由としては、透明感があって少し古びたような質感があるからです。

コードバンの特徴である皺や光沢を生かすというよりは、色合いと質感がこの靴にハマりそうだったのでコードバンをチョイスしました。

ヘンプ

この靴の大きな特徴であるヘンプ。

麻の生地ですが、麻といっても大きく三種類あります。

  • リネン(亜麻)
  • ラミー(苧麻)
  • ヘンプ(大麻)

一般的に服によく使われるのが耳にすることの一番多いリネンです。

ヘンプはこれらの中で繊維が太めでごわつくというか少し硬めの素材です。

靴なので耐久性も欲しいところですし素材感も出したかったのでヘンプ生地の生成りを使いました。

茶色い繊維が混ざっているのが見えます。

かかとにかけて

ロングヴァンプなので羽根からかかとにかけてラインが伸びています。穴飾りは途切れることなく続きます。

特徴的なヒール

ヒールのデザインはかなり特徴的です。

下から黒白茶と積み重なったようなデザインです。そして地面に垂直な継ぎ目(縫い割のような)はないある意味シームレスヒールです。

ロングヴァンプの醍醐味を最大限発揮できたデザインだと思います。

かわいいお尻
スキンステッチの継ぎ目

黒い部分は踵内側でつないでいます。裏から貫通せずに手縫いするシャドーステッチを施した跡が見えます。表から糸は見えませんが糸が通った凹凸が現れています。

このつなぎ目部分も穴飾りは途切れることなく続いています。

半カラス仕上げ

底付けはシングルウェルト、シングルソールでベヴェルドウエスト、フィドルバックに半カラス仕上げとかなり凝った仕上げです。

ウエストとヒールをバイオリンの木目をイメージしながら赤茶に染めています。

バイオリンの背板をイメージした杢風

バイオリンの背板に使われる材(メープルなど)によくあらわれる縮み杢という模様をイメージしながら、染と磨きの方向を横向きにそろえて仕上げました。

逆に前方のナチュラル部分はウエストを直交する角度、縦向きに仕上げています。

機能上全く意味のないこだわりです。

出し縫い

アウトソールステッチはspi12ですので約2mm強のピッチです。

アッパーは遊びがあるデザインですが、ソールはかなりドレッシー目に作りました。

シューツリ―のデザイン

この靴の雰囲気が何かに似ているなと製作中から思っていましたが、それが古い豪華客船だとわかったので、シューツリー製作はそういったイメージに寄せていきました。

船の甲板や船のもやい、波止場の船留めなどをイメージしながら自作の真鍮パーツも組み合わせながら製作。

仕上げはバイオリンなどに使うオイルニスで行ったので、すこし古めかしい雰囲気が出ています。

3ピースシューツリ―

この靴のサイズは

25cm UK6.5

程度です。

 

箱と靴袋もこの靴専用に作っています。

感想

このデザインはいつか写真で見た記憶のあるビスポークブーツから再現しました。

黒と茶色と白というコンビはなかなか見ないですし、インパクトも強いのですが、やはり靴になると独特な雰囲気は漂いつつもまとまりがあってかっこいいデザインになってくれました。

合わせるパンツはツイードや、白パン、コーデュロイなどはよく似合いますし、デニムやカーゴなんかもいいかもしれません。

コーディネートの主役になる靴ですが意外と服は合わせやすいのかもと思ったりしました。

ヘンプ部分のケアは少し面倒ではありますが、汚れたら汚れたでビンテージ感も強まり渋くかっこよくなると思います笑

普段あまりコンビシューズを作ることはないのですが、こういうデザインも面白くていいですよね。コンビシューズまた作りたいです。

それではまた。

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