こんにちは。かわぐつのケンです。
この記事では今回製作したNo.013 Black × Black Balmoral の完成レビューをお届けします。
No.013の抽選応募フォームはこちら↓(応募締切は11月20日23:59まで。当選発表は25日頃を予定)
https://docs.google.com/forms/
今回展示する靴はNumbers Collectionはすべて抽選を行いまして、当選された方がご購入いただけます。No.007~014すべてにおいて以上の通りです。
その他のナンバーズコレクション2022の完成はこちらから↓
No.013 Black × Black Balmoral
No.013
Black ×Black Balmoral
¥258,000
サイズ : 24.5cm UK6相当
アッパーマテリアル : ILCEA box calf × oil shrink calf(嶋田悟)
ソール仕様 :
ハンドソーン製法
シングルソール
ベヴェルドウエスト
トウブラス
シューツリー : 2ピース ヒンジタイプ
この靴は黒いドレッシーな靴を作りたかったこと、異素材組み合わせをやりたかったこと、そして使いたい革があったことの三つから始まっています。
実は今回使いたかった革というのは色々あって、足数が埋まってしまって使えなかった革というのも結構あるのですが、No.013につかった二種類の革は使いたいリストに入っていた革です。
アッパーの革は、イルチアのボックスカーフと嶋田悟製革所のオイルカーフ。
イルチアのボックスカーフはこれまでよく使ってきたアノネイのものよりも少しだけ厚みが薄く、しなやかめ、表面の質感もマット目で、使ってみたいなと購入しておいた革でした。
嶋田悟製革所のオイルカーフは以前製作に使ったことがあり、その質感をとても気に入った革でした。
したがってそれらの革を一度に使える同色コンビシューズを製作することにしたのです。
パターンは内羽根ロングバンプ。バンプラインは曲線的に波打つようにヒールに向かって伸びていきます。
バンプラインより上はシボのオイルカーフ。鳩目は塗りの黒鳩目をつけています。
この靴のアッパーは羽根パーツ内外2枚と、バンプパーツがぐるっと一枚の計三枚で構成されています。
大きく靴を巻くようにとったボックスカーフはシームレスヒールを経由してウエスト内側で重なるようにして継いでいます。
ヒールカップを後ろから見ると曲線的なラインが少し特徴的で何となくかわいさを感じます。
ヒール積み上げは、ヒールカップに沿うような逆カーブをわずかに描いています。
丸みのあるつま先には少し小さめのメダリオンが入っています。
出し縫いは12。1インチに12針縫う(つまり一針約2mm)縫い目で、ウエスト部分はべヴェルドウェストで縫い目を隠しています。
ソール底面はドレッシーな仕様で黒と茶、そして金の半カラス仕上げ。
つま先には半カラスのラインと呼応するようなイチョウ型の真鍮プレートを装着。
シューツリーはビンテージ風味を感じる色合いの仕上げに、磨き上げた真鍮プレートと真鍮リング、そしてオイルカーフのタグをつけた2ピースヒンジタイプ。
この靴の磨きは大阪の福島区にあるSHOESLab. TORCHの松田さんにお願いしました。
松田さんはこの靴の曲線的なデザインを受けて、磨きはそれに沿ったものを施してくれました。
しっかりとつやをだしながらも靴の曲線を邪魔しないような、光の角を取ったまろやかな光沢です。
ボックスカーフに光沢と黒の深みが出たことでオイルカーフとのコントラストが強調されました。
是非実物を見ていただきたいですが驚くほどのツヤ感です。
グランドピアノのよう。
8足のナンバーズコレクションの中でも最もキリっとした雰囲気の靴に仕上がりました。
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